公務員の副業を解禁する目的とは「人材戦略編」

副業の解禁は、人材戦略という観点でも重要な役割を担います。

どういうことか、考えていきましょう。

目次

個性的な職員を有効的活用する。

まず大前提として、個人事業を始めて軌道に載せられる職員がいたとしたら、その人はとても有能な人材です。

彼らは副業をして変な目で見られないよう、本来の職務にも懸命に取り組みます。その上で、自分のできることを見つめて日々チャレンジしているのです。なんて志の高いこと、本当によくやりますね。

さて、そんなやる気に満ちた生活を送る彼らを利用しない手はないでしょう。

踏襲的なやり方を逸脱した、画期的で効率的な方法を打ち出してくれるはずです。

まあ、逆に何事もなく仕事を進めるタイプという場合もあるかもしれませんが。

早く帰りたいだろうし、うん。

繰り返しになりますが、彼らは試行錯誤して情報発信活動をしているはずです。

全体として苦手なことは、身内でできる人に任せてしまいましょう。

行動力のある職員が写真や情報を共有してネタを集める役をしたり、各部署ごとに情報発信をするような形式であれば、個性のひかる情報発信ができるのではないでしょうか。

さらに職員が副業をしている場合、その見識が役に立つことは言うまでもありません。

これからチラシやポスターに加え、動画を制作していく必要が出てきます。きっと出てきます。

そんな時、動画編集のできる職員やYouTubeアカウント運用の知識がある職員は貴重な戦力です。

プログラミングの知識がある職員がいれば、実際に公務で開発をすることはないとは思いますが、委託する際に相手の言うなりになることはなくなります。

公務員は専門知識に弱く、アプリやホームページの構築をするときに業者にぼったくられるイメージがありますが、プログラミングの知識のある職員がアドバイザーになれば、そんなことはなくなるはずです。

また、地域特有の産業に関わる副業を始めた職員がいれば地域の特徴をより理解した職員になり、その見識は環境の整備や広報活動に有効です。

他にもいろいろ個性に合わせて知識や経験を有効活用できるのではないでしょうか。

離職率低下に繋がる。

公務員という立場はとても安定しています。一度公務員になってしまえば、よほどのことがなければ解雇されません。

公務員でありながら自分のしたいことにチャレンジできるのであれば、安心して失敗することができます。

やりたいことがあるので公務員やめたいと言っていた職員が、公務員という立場を失うことなくやりたいことにチャレンジできるということは、有能な人材を引き止めることができる要素になります。

特に田舎の自治体が人材の獲得が困難なので、こういう考えかたはどんどん取り入れるべきですね。

新たな人材を獲得する。

地方自治体でも、地域に合わせた働きかたをPRすることで都会から人材を獲得できるかもしれません。

自然環境や伝統産業などを兼業として行う働きかたをモデルスタイルとして確立すれば、過疎地域に物好きな若者がきてくれる可能性を広げることができます。

新しいことに挑戦しようとする気概のある若者がやってくれば、地域に新しい風が吹くので、自治体の活性化にも繋がるのではないでしょうか。もちろん個人的な挑戦を応援するものなので、モデルに固執して制限の多いものであってはいけませんが、副業の許された公務員が安心して挑戦ができる立場であることは確かです。

田舎で農業や漁業、林業や産業に挑戦しながら公務員として守られた立場でいられるなんてことになれば、最近廃れがちな地方公務員の魅力が復活すると言っていいでしょう。

新しい雇用形式を確立する。

副業の解禁はもうすでに避けられない流れにあるとは思いますが、僕はその一歩先、兼業職員を応援する空気を醸成していくと良いのではないかと考えています。

個人事業主としてもうひとつの収入源を確立させて兼業職員となることで、よりユニークな職員になると思うのです。

兼業公務員という働きかた

地方自治体、特に自然環境の整っている田舎な自治体でこそ、兼業公務員の魅力はひかるものがあります。

まず、田舎な地域では人手が少なく、様々な業界で人材が足りていないため、働き手が増えることは喜ぶべきことであります。宮崎県新富町の事例では、コンビニの店員ですら地域貢献となるとして許可されているほどです。

自然の豊かな地域では林業や農業、畜産業や漁業など、主に一次産業系の職業で人手が足りていない場合が多いので、兼業でも担い手となることができ、少しずつ地域の産業を支えることができるのです。

また、インターネット環境が普及してきているため、場所を選ばない働きかたをすることができます。

クラウドソーシングや情報発信活動をする環境は自分で作ることができるため、本人のやる気次第でいくらでも稼ぐことができるのです。(本業との兼ね合いがあるので、時間や体力を管理する必要がありますが。)

自然の豊かな田舎では、都会ではできない様々な活動をすることができ、地元のPR活動を勝手にすることもできます。

例えば僕の住んでいる地域には登山コースが10近くあり、夏には鮎釣りのできる川があり、実家の所有地では農業やキャンプができるなど、活動のたねが溢れています。田舎の暮らしや空き家の活用なんかもいいテーマになりそうですね。

田舎暮らしとインターネット環境を利用した働きかたは相性がよく、まずは自治体職員から新しい働きかた様式として広めていくべきです。

キャリアと兼業公務員

兼業公務員が現れる可能性が出てきたとは言え、従来通り公務員として出世したいという人もいるでしょう。

副業を解禁しても継続して結果を出せる人は、一部の職員であると予想されます。

生活費を稼ぐために公務員である必要がなくなった職員が出てくる一方で、兼業をすることなく公務員のみのキャリアを形成していく職員も必ず存在します。

兼業を行う職員とそうではない職員が同等の雇用形態であることに違和感を覚える人も出てくることでしょう。

定時帰宅や有給休暇の取得ができ、効率よく職務をこなすことができれば活動もしやすい環境だとは思います。

しかし兼業している人とそうでない人では、このような帰宅時間や有給休暇の取得率に差が生じ、本人の意識の差が原因だとしても不公平に感じる人は出てくる気がします。

もちろん、兼業することによって公務員としての職務に専念することができないなんてことはあり得ません。

兼業を行わずに職務に専念するという方針の職員と兼業をしながら公務もこなす職員というように極端な分け方をするのはしっくりきませんが、幹部になっていく職員と専門職的な働きかたをする職員、人材として穴を埋める職員など、本人の希望や状況により配属先や働きかたが柔軟に選択できるような職場環境になっていくと面白いと思います。

さて、兼業に力を入れる職員は本来の職務以外にも事業を行うすることになるので、公務員として働く以上にエネルギーを消費する生活を送ることになります。

彼らは普段から定時帰りや有給休暇の取得を心がけ、業務の効率化やAI技術の活用も相まって、ゆくゆくは制度として週休が増えていくと予想できます。

週休が増える雇用制度が採用される事例も増えてきましたしね。

【参照】knowledge society 週休3日制を採用している企業一覧

兼業を始めるために週休を増やし、その分の給料は少なくなるという制度であれば、人件費の節約にもなり、人件費を増やさずに雇用人数を増やせるので、結構いいのではないかと思います。

ただし、そのためには雇用制度を新しく整備し直して、職場の認識を改めなければならないので、ハードルも高そうですね。

まとめ

副業を解禁することにより働きかた改革はさらに大きく前進し、「多種多様な働きかた」が現実味を帯びてきます。

自分らしく生きるということは日本人には難しい気がするので、この副業解禁の波に乗り遅れないようにするには、自ら勉強して自分の考えを持っておくことが重要になりそうです。

全国の人事担当のみなさん。かなり強固な既成概念をぶっ壊す必要があるので、覚悟してくださいね。

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