公務員だけど「公務員が現在できる副業」について調べてみました。

公務員もできる副業があるということはよく耳にしますが、実際に許可される(許可を取らなくてもよい)副業ってどんなものがあるのでしょうか。

今回は公務員ができる副業について調べてみました。

目次

公務員ができる副業の条件

まずは、公務員ができる副業の条件について見ていきましょう。

が、本題に入る前にひとつだけ確認しておきたいことがあります。

国家公務員法 第103条の2

国家公務員法 第103条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。(以下略)

さて、さっそく前回の記事で重要なことを見落としていたことが発覚しました。

国家公務員の副業は完全に制限されていることが明記されていますが、同時にその文を否定することができることも明記されていたんですね。これは国家公務員の皆さま、失礼いたしました。

(大いに失態していた前回の記事はこちら)

きいまのいきろぐ。
公務員だけど「公務員の副業を制限する法律」について考えてみました。 | きいまのいきろぐ。 公務員の副業が法律によって制限されているのは有名な話です。 では、実際にはどのような文によって制限されているのでしょうか。その内容と意図について考えてみたいと思...

ということで、すべての公務員が現行の法律のままでも副業をすることができる可能性があることがわかりました。(規則で制限されていますが。)

あ、今回は現在でも問題なくできる副業について見ていくんでしたね。

では、ここからが本編でございます。

人事院規則 

『人事院規則』の「14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」という章に、国家公務員法第103条についての細かい指標が記載されています。そこでは主に、副業に当たらない条件承認を得ることについて書かれています。

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自営にあたらないこと

地域や社会の貢献となる活動

公務員が公務以外で報酬を得る際、収益を得ること以外が目的である場合は認められやすいです。

特に地域や社会に貢献する活動である消防団活動やクラブ活動の指導、講演活動などは、報酬を得て活動できるのです。

年収や規模

「営利」を主にする活動は、副業として認められません。副業としては本末転倒ですが、まあ副業は認められないということが前提なのでしょうがないですね。

食糧調達が目的となる農業や投資である不動産であれば「自営」に該当しませんが、収入や規模があまりにも大きい場合は「自営」と判断される場合があります。

許可を得ること

基本的には認められない副業ですが、国家公務員法や地方公務員法にも記載されている通り、副業も許可を得ることができればすることができます。

まあ、その許可を得ることが難しいのですが。

公務員がしてもいい副業

地域貢献活動

地域貢献活動については報酬を得ることが主な目的ではないため、許可を取らなくてもよい場合があります。

他の地域ではどうなのかよくわかりませんが、僕の勤めている自治体では、消防団に所属している職員や中学校で部活動の指導をしている職員も何人かいます。

消防団

地方の若手公務員は、消防団に入団(断りきれずに入団してしまう)ことが多いのではないでしょうか。

僕も漏れなく入団することになりました。

しかし団員報酬がまとめて班に入り、飲み会や団員旅行の費用となるので、報酬を目的として入団するのは意味がありません。

最近は報酬が個人に入るようになっている傾向もあるようですが、そもそも消防団は地域貢献活動なので、副業という意味合いからはかけ離れている気がします。

部活やクラブの指導者

小中学校の部活動や地域のクラブ活動の指導者も認められているようです。

が、まあこれも地域貢献活動であったり、趣味活動的な要素が強く、報酬もあまり多いわけではないですし、副業の意味合いは薄い気がします。

子どもたちに何かを教えるのって、楽しいんですけどね。

(ちなみに僕は、中学校の吹奏楽部に指導をしに行ってます。)

講演・講師

専門性の高い研究や地域貢献ができる分野であれば、許可を得て講師として講演活動をすることができます。

各地の役場などで行われる講演会の講師が公務員だってこと、結構ありますよね。

もしも講演の講師として呼ばれたときには、特定の人物や団体との利害関係を生じさせる可能性がないか、よく注意する必要があります。

執筆活動

執筆活動は趣味の範囲であり、表現の自由が尊重されることから、認められやすい傾向があります。

本の形で出版することはハードルが高いですが、同人誌や創作活動、電子書籍の制作など、手段は様々です。

しかし、公務員としての信用が失われないこと、情報漏洩が守られること、公務員としての職務に支障がないこと、公務員の品位を損なわないことなど、趣味の範囲で表現の自由が尊重されると言えども、活動をするにも注意することがたくさんあります。

小規模な農業

農業は、小規模であれば許可なくできます。

その規模の基準は「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」)に該当するかどうかで、『人事院規則』には以下のように書かれています。

・農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏などを大規模(客観的に営利が主目的であると判断されるくらい)に経営

参考:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

はい、出ました曖昧基準。厳しい人から見れば、余りものでも市場に出した時点で営利が目的と言えるはずなので、副業として農家をするというのはあまり現実的ではなさそうです。

ちなみに、兼業農家には以下の種類があります。

【第一種兼業農家】
農業所得が主となっている兼業農家

【第二種兼業農家】
農業所得ではなく、兼業している職から主な所得を得ている家

参考:農林水産省 農林業センサスにおける用語の解説

この観点で言えば、公務員の副業として農業をする場合、第一種兼業農家にはなってはいけないということになります。

そして農地法上、新しく農地を取得したり人から借りたり、持っている土地を農地に転用したりすることは農地法第3条に規定する許可を得る必要があります。しかし条件が厳しく、自分の農地を得るのは非常に困難です。

仮に新規に農地を取得・貸借できたとしても、権利取得後の農地面積の合計は50aに達していることが条件となりますが、この面積で行う農業は大規模と見なされる可能性が高い規模になってしまうため、今度は公務員の副業規定に反することになってしまうようです。

参考:農地法

公務員が副業として農業を始めるのは、なかなかハードルが高いですね。

地方の田舎に住む公務員であれば、農地を持っている家に生まれる可能性も高いため、自給自足のために野菜を育てている人も多いのではないかと思います。

そんな人たちが家で取れた野菜で食べられない分を市場に持っていくことは、許可を取らなくても大丈夫そうですね。

小規模な不動産

不動産は小規模であれば投資とみなされ、副業には該当しません。

禁止されているのは「自営」に当たると見なされる以下の場合です。

・不動産または駐車場賃貸の年収が500万円以上
・独立家屋の賃貸が5棟以上
・マンションの賃貸が10室以上
・土地の賃貸契約が10件以上
・駐車場の賃貸が10台以上
・販売する太陽光発電設備の定格出力が10キロワット以上
・劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備
・旅館、ホテルなど

また、不動産や駐車場の賃貸、太陽光電気の販売の事業をする場合には、本業に支障をきたさないよう不動産の管理を外部事業者に委託している必要があることが、以下の通り明文化されています。

・入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること
・太陽光発電設備の維持管理等の太陽光電気の販売に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること

さらに不動産や駐車場の賃貸、太陽光電気の販売以外の事業をする場合には、以下の条件を満たす必要があります。

・職員の官職と当該事業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと
・職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること
・当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること

参考:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

家事手伝い

報酬が発生しない限りは、家業を手伝うことも兼業には該当しません。

土日や祝日におこなうなど、職務の妨げにならないようにする必要はありますが。

相続・遺贈による継承

農業や不動産の賃貸、太陽光電気の販売は、相続や遺贈によって事業を継承した場合については、副業の承認や許可を得やすくなります。

当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること

参考:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

株式投資・FX

株式投資やFXは、公務員の副業についての話題でよく出てきますが、そもそも資産運用は副業には当たりません

他にも定期預金や投資信託、先物取引、純金積み立て、個人向け国籍など、大抵の資産運用は収入金額の上限もありません。

副業ではないけど

副業をしなくても収入をあげる方法はいくつかあります。

日常生活的な活動

日常生活を普通に過ごすことは禁止されていないので、日常生活の範疇であれば利益の出る活動をすることができます。

ポイント活動(ポイ活)

Tポイントや楽天ポイント、DポイントやPontaポイントなど、様々なポイントカードがありますが、これらを集めることはもちろんできます。

全てを有効に使えているとはなかなか言えませんが、結構お世話になっています。

不用品販売

メルカリやネットオークションで、家にある不用品を販売することもできます。

家の倉庫や屋根裏に使わないものがきっと眠っています。そのようなものを誰かが欲していて、買ってくれるのであれば、不用品をネット上で売買することはお互いに得をする優しいシステムです。

が、しかし、在庫を持つと事業を営んでいるということになってしまうので注意が必要です。

特別な公務

日々の職務以外の公務をこなすことで収入を増やすことができます。あまりしたくありませんが、収入を増やすという観点では現実的なので、積極的に行う職員もいるようです。

残業・休日出勤

定時以降の時間や休日に仕事をすることで、残業手当休日出勤手当を得ることができます。

「よくお金がないから残業をする」なんてことが昔はよくあったそうですが、現在は残業に手当てをつけるためには許可が必要なため、残業をしたところで、許可を取らず手当てももらえないサービス残業ということになります。休日出勤も同じです。

会議やイベントなど、出勤する理由がつけば気兼ねなく許可も取れるので、残業の制度がまったくなくなったわけではなく、忙しい部署に所属されれば必要な残業も堂々とできてお金も貯められます。

とは言え、理由なしに行う時間外勤務は褒められたことではないですし、うん、あまりやりたくはないですね。

当直(宿直・日直)

務める役場によっては、宿直日直などに出る必要があります。

当直は当番制で役所・役場の閉まっている時間帯に当直室に詰める役割で、電話や来客があったときに対応したり、緊急事態が起きたときの初動を務めることになります。

基本的には当直室にいるだけの仕事なので、楽といえば楽ですが、何が起こるかわからないという緊張感があります。そもそも電話が苦手なところにフリーダムな電話がかかってくる可能性も考えると、精神的にも負担があり、緊張感で眠れないこともあるので意外と疲れます。

給料もあまり多くはないので、これも好んでやりたくはないお仕事です。

僕の所属する役場では40代前半以下の男性職員が1人で宿直を、女性職員が2人人組で日直を割り振られ、月に1度くらいのペースで当番がまわってきます。年末はくじで当たれば出る必要があり、どちらにせよ、早く委託にならんかなーと思っています。

緊急の出務

注意報警報が発令されたり、地震などの緊急事態があると、役場の職員は出務することになります。

台風や大雨が多くなる夏から秋にかけての時期は、天気予報を見逃すことができず、日中普通に出務した後に一晩詰めることもあるので、この時期に雨予報が続くとみんなぴりぴりしています。

もちろん、緊急の出務は住民の安全を守るための重要な役割なので、やましい気持ちで出ることはできませんが、出務機会が多かった月はそれだけ給与も増えるので、給与明細をもらうのが楽しみなのも確かです。

各種イベントスタッフ

地域のイベントのスタッフを依頼されることも多々あります。

イベント会場の設営解体から屋台の販売員、会場スタッフに着ぐるみまでいろんな仕事があります。休日の出務になりますが、もちろん報酬は出ますがお小遣い程度なことがほとんどです。楽しいですが、大抵疲れますし代休ももらえません。

イベントには、選挙統計調査などの特殊なものもあります。

これらは任命の制度はただのイベントスタッフとは異なり、責任も重くなります。その分、報酬もまあまあもらえたりもします。大変な作業なので職務に見合った報酬なのかどうかは微妙なところですが、まあ、そこそこです。もうちょっと欲しい気もします。

まとめ

公務員ができる副業(というか副収入の種類)について調べてみましたが、結構いろいろとありましたね。

しかし「副業」の定義をどのように捉えるかにもよりますが、公務員が職務の他に、もうひとつの事業を行うことはほぼ完全に禁止されているように感じました。

しかし投資は制限されておらず、稼ぐこと自体が禁止されているわけではないというのがよくわかりません。

そもそも営利活動をすることが禁じられているので、まあ、副業なんて持ってのほかって感じですね。

個人でも稼げて副業が推奨されているこの時代に、副業が禁止されているのはかなり遅れていると思います。

最近、ANAが副業解禁したことが話題にもなっていますし、副業解禁の流れは進んでいます。

公務員ものんびりしていると流れに乗り遅れてしまって、嫉妬することになりそうです。

かわいいワンコの動画見て1日を潰してしまうわけにもいけませんね。よーし、頑張りますよ。

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