公務員だけど「副業解禁」について調べてみました。

公務員は副業をしてはいけない。

これは誰もが当然のこととして認識している一般常識です。

しかし僕はブログを始め、情報を収集し勉強する中で、公務員も副業をした方が良いのではないかと思うようになりました。

そこでよく聞くけど具体的にはあまり詳しくわかっていない「副業解禁」とは何なのかについて、改めて調べてみました。

目次

副業解禁の背景

終身雇用の崩壊

日本では戦後の高度経済成長の時代から、終身雇用を行う会社が一般的でした。

終身雇用は右肩上がりの経済状況と企業の成長が前提の、新卒一括採用と年功序列の特徴を持つ雇用制度です。終身雇用では、従業員の帰属意識が強く、長期的で計画的な従業員の育成を行うことができる、安定した制度だったのです。

しかし、バブルの崩壊やリーマンショックが起こったことで、日本経済は長期の低迷が続いたため、終身雇用による会社の運営をすることが難しくなってきてしまいます。

そのため、能力の低い従業員は切り捨てて、能力の高い人材を採用するという成果主義の考え方が台頭してきました。

成果主義では年齢によって立場の強くなる年功序列の制度が撤廃され、能力があれば昇格できるという特徴があり、こうして成果主義が主流となってくると終身雇用の制度は成り立たなくなってしまうのです。

終身雇用制度が崩壊すると、リストラや出向・左遷がまかり通る社会になるため人事が混迷し、会社に所属していれば安心という時代はもう過去の話だと言えてしまいます。

少子化による働き手の減少

少子化が進んで働き盛りの世代の人口が減少したことにより、社会に様々な影響が現れました。

高齢者ひとりあたりの年金を支えられる若者の人数が少なくなる。

働き手の現象により、税金入収が減る。

低賃金や長時間労働、過重な業務負担などの劣悪な労働環境が目立つようになる。

他にもメンタルヘルス不調や過労死、非正規労働者の待遇に関する問題など、働き盛りの世代にとって生きにくい社会になりつつあります。

インターネットの普及

以前は副業といえば、アルバイトや日雇いといった肉体労働によって収益を得ることが主流でした。

肉体労働は体力が削られ、精神的にも負担が大きく、拘束時間も長く睡眠時間が削られることになるため、本業へに障をきたす可能性があると懸念されたことが、副業が禁止された理由のひとつです。

しかしインターネットが普及したことで、個人でも自宅で稼ぐことができるようになりました。

ネットオークションや中古品の販売は日常生活の一部として始めることもできますし、デザインやプログラミング、動画編集などのITスキルを学べば、身につけたスキルを利用して依頼をこなすことで稼ぐこともできます。

インターネットを利用した働きかたは、肉体労働と比較して時間を拘束されず、身体的な負担も少ないため、仕事に支障をきたす可能性もずっと低くなります。

働きかた改革

終身雇用の崩壊や、労働環境の悪化、さらには労働者の減少などを改善しようと、日本企業の労働環境を大きく見直す取り組みとして「働きかた改革」が叫ばれるようになりました。

【働きかた改革の目的】
・働きやすい環境を構築し、ライフステージに合った働きかたを選択しやすくなる。
・個々の意思や能力、事情に応じた多様で柔軟な働きかたを選択可能とする社会を追求。

労働時間長時間化の是正

残業は日本の労働者にとって、至極当たり前のものです。でもそれがいけない。

残業をすることは会社への貢献であり、残業をすれば残業代がもらえ、先輩より先に帰るのは不敬にあたる。そんな価値観により当然のものとなっていた残業はやがて労働者を縛るものとなり、ヘルスケア不調や過労死の原因となった今もなくなることのない負の遺産となりました。

残業は会社が規定した労働時間を超える労働であり、残業時間が状態化することは本来ではありません。時期により労働時間が増えるのであればそのような契約をするべきですし、残業は自分がやり残してしまった業務や勉強のためにするものであるべきだと思います。

残業が多くなってしまうことは、自分ができる以上の業務を与えられているということであり、それは上司の責任です。(残業が当たり前となっている現状では、なかなか残業をゼロにはできないかもしれませんが、その努力は必要です。)

残業がなくなれば、仕事が終わった後の家族の時間を増やすことができ、何かを勉強する時間を作ることができ、趣味や副業の時間に当てることができます。

残業が減れば、過度に仕事に時間を奪われることなく、自分のことをできるようになります。もちろん仕事が一番という人もいると思いますし、ライフワークバランスは人それぞれの形がありますが、人がそれぞれの形をちゃんと作れるような働きかたが理想です。

非正規雇用の不合理格差の解消

派遣労働者、契約社員、パートタイムなど、非正規雇用の労働者が年々増えています。

正社員になることこそが正しいというのがこれまでの当然の認識であり、非正規は正社員になれないから仕方がなく働いている人というイメージは多くの人が持っていることでしょう。

事実、非正規は手当てや教育、休暇の制度など、正規に比べて待遇に差があることが多く、会社にとって非正規雇用は仕事の繁閑によって従業員の人数を調節したり、人件費を節約するするために利用する制度です。労働契約法に守られる正規は簡単に解雇することができませんが、非正規はそうではないため立場が弱いのも確かです。

しかし非正規は労働時間が縛られたり、責任のある業務を任されることがないので、柔軟で多様な働きかたをすることができます。自分の都合で働く時間や職場を選ぶことができ、もし解雇されたとしてもすぐに次の職場をみつけることができます。また、インターネットを利用して稼いでいくつもりがあれば、稼げるようになるまでは、非正規で雇用されることで生活費を得ることもでき、このような働きかたは今後増えていくのかもしれません。

とはいえ、不本意ながら非正規で働くことになってしまっている人は一定数おり、正規の職員との給料や能力における格差は時間と共に開くばかりなので、政府は「同一賃金同一労働」や「正社員転換・待遇改善実現プラン」などの施策により早急な改善を図っています。

柔軟な働きかたの実現

長時間労働対策のさらに先に、「柔軟な働きかた」があります。本来仕事をするということは、時間と場所と行動を縛られるということです。行動は仕事の成果を産むために削れないとして、時間と場所が自由に選択できれば、個人の生活に合わせて仕事をすることができるのです。

働きかた改革で最初に普及したのは、フレックスタイム制度です。これは所定の労働時間を満たせば、出勤時間と退勤時間をある程度自由に決めることができる制度で、利用すれば自分の生活スタイルに合わせた働きかたをすることができます。

また、自宅やサテライトオフィス、出張先や移動中など、会社の外で働くテレワークモバイルワークいう概念が生まれ、新型コロナウイルスの感染拡大による「新しい生活様式」という考え方により民意を得ました。

今後、時間と場所に縛られない働きかたは次第に浸透し、多様な働きかたの中から自分の生活スタイルに合わせたものを選ぶことができるようになっていくと思います。

モデル終業規則と副業の解禁

モデル就業規則」とは厚生労働省が企業に向けて作成した、「就業規則」のモデルとなる規定のことです。

【モデル副業規則】
常時10人以上の従業員を使用する雇用者は、「就業規則」を作成して所轄の労働基準監督・署長に届け出なければならないことが、労働基準法第89条に規定されている。「モデル就業規則」は、労働基準法等の法律に則って「就業規則」を作成するため、参考となる見本として作成される。

「モデル就業規則」が作成された当初から、労働遵守事項に「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という一文があり、これが副業禁止を示していました。

しかし「働きかた改革」の施策の一部として、平成30年1月に上記の一文は削除され、副業・兼業について第14章第67条に規定が新設されました。

この規定では、労働者が勤務時間外に他の会社等の業務に従事することができるとしながらも、副業をするに当たって届出を必要とし、条件付きで労働者の副業を禁止・制限することができることとしています。

この規定が「モデル就業規則」に付け加えられたということは、政府が副業・兼業を推進しているということであり、「副業は絶対にしてはいけないもの」という認識は、過去のモノになっているということなのです。

まとめ

副業の解禁はただ禁止していたものを解禁したというだけではなく、不安定な情勢と劣悪な労働環境を解消するための「働きかた改革」に基づいて行われたものです。

改革の中では、これまでになかった働きかたがいくつも出てきました。この改革は、個人の生活スタイルに合わせて働きかたを選べる社会を目指しています。個人レベルで別のことをしなさいということです。

なんか、日本人には厳しい社会になっていきそうな気がしますね。僕はひとまず、有給を捨てないことを目標にしていきたいと思います。

自分の生活のために、拭きれない常識は忘れ、空気読まずに使える制度はどんどん利用していきましょう。

あ、ちなみに、公務員の副業についてですが「働きかた改革」が公務員には関係ないということはないと思うので、公務員だけ副業してはいけないというのは、なんか変な話ですよね。

もちろん、公務員をするからには信用問題などにより、副業をするならより気をつけるべきことは多いと考えられるので、基準を作って行かなければならないと思います。

うーん、公務員の副業を解禁するって大変そう。まあ、がんばってみますか。

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